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9-1.女性の時間外労働・休日労働

女性の時間外労働等の規制の廃止に伴い設けられていた育児介護を担う女性(特定労働者)の時間外規制も廃止され、男女に共通の規制になったということですが、どのようなことになったのでしょうか。まず、女性についての現在の労働時間や休日に対する規制を広く簡単に整理してください。

労基法関係
女性一般についての、法定の時間外労働の限度1年150時間とか法定休日労働の日数制限、それに深夜業の原則禁止といった法規則は平成11年3月31限りで廃止され、原則男女同じ規制が適用されることになりました。ただし、次のような特別の取扱いがあります。

妊産婦の場合・・・
妊娠中または産後1年以内の女性(妊産婦)が請求した場合は、1ヵ月単位・1年単位の変形制や非定型的変形制による場合でも、1週40時間・1日8時間を超えて労働させることはできません。
また、妊産婦が請求した場合は非常災害の場合を含めて時間外労働や休日労働をさせることはできません。妊産婦が請求した場合は、深夜業をさせることはできません。

男女雇用機会均等法関係
① 妊産婦の健康管理のための時間
妊産婦が請求した場合、母子保健法による保健指導や健康診査を受けるための時間を確保しなければなりません。
② 妊産婦の勤務時間の変更等
①に基づく指導事項を守るための勤務時間の変更等の必要な措置を講じなければなりません。

育児・介護休業法関係
①深夜業の制限・・・
これは女性に限りませんが、小学校の始期に達するまでの子を養育する労働者及び介護をする労働者(日々雇用者や継続雇用1年未満の者、深夜に保育できる16歳以上の同居家族がいる者、週所定勤務日数2日以下の者、所定労働時間の全部が深夜にある者を除く)が請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、深夜業をさせることができません。
② 時間外労働の制限・・・
これも女性に限りませんが、やはり小学校の始期に達するまでの子を養育する労働者及び介護をする労働者(日々雇用者や継続雇用1年未満の配偶者が子を養育できる状態にあるもの・配偶者以外の親が子を養育できる状態にあるもの(いずれも育児休業者のみ)、週所定勤務日数2日以下の者を除く)が請求した場合は、1ヵ月24時間、1年150時間を越えて時間外労働をさせることができません。

以上の時間外労働や休日労働の規制、深夜業の制限は、いずれも具体的には1日8時間・1週40時間等の法定の労働時間を超える労働、1週1日または4週4日の休日における労働、午後10時から午前5時までの間における労働です。これ以外のいわゆる法内超勤や法定外の休日労働等については、この規制は及びません。これら法内超勤等については、もっぱら就業規則の定め等労使間の合意するところによります。

9-2.育児・介護担当者の時間外労働

育児・介護を担う女性については従来、激変緩和措置として時間外労働が制限されていたはずですが、この規制は解消され、制限はなくなったのでしょうか。それとも別の規制が設けられたのでしょうか。

激変緩和措置として育児・介護を担う一般女性について従来設けられていた、1年150時間、1週6時間」(工業的業種の場合)または1ヵ月(4週)36時間(非工業的業種の場合。ただし、保健衛生業や接客娯楽業の場合は2週(12時間)という時間外労働の制限は、平成14年3月31日で廃止されました。

新たにこれに替わる措置として、男女を問わず育児・介護を担う労働者についての時間外労働の制限(1ヵ月24時間、1年150時間)についての規定が育児介護休業法に設けられました。

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